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記事20110318一時休戦で総力挙げよ キジ20110318イチジキュウセンデソウリョクアゲヨ

解説

観測史上最大の巨大地震、巨大津波の襲来を、政治はどう受け止めたのだろうか。国民の生命、財産を守ることに尽きる政治の使命を全く果たせなかった。政治が顧みて背負うべき教訓はあまりにも重大と言うほかない。一方で想定をはるかに超える甚大な被災の救済や復旧・復興に総力を挙げるためには政治の先導が不可欠だ。  三陸地方のリアス式海岸の奥深くだけでなく、平野部の内陸まで浸入した巨大津波の発生を予見できなかった責任の所在はどこなのか。津波対策の公共事業予算で整備した大防潮堤の存在がいつしか住民の心に過信を生み、犠牲者を増やす側面があったのではないか。 東京電力福島第1原子力発電所の身の毛もよだつような一連の事態は、政治が行政、電力業界と足並みをそろえて覆い隠してきた原発の底知れぬ危険性を余すところなく露呈した。世界中が不信の目で、固唾(かたず)をのんで見守っている。  いずれも自民党長期政権時代の所産である。「想定外」を理由に、政治がこれらの責任から免れることなど許されない。 大震災の現実に遭遇して真価を問われるのも政治の宿命だ。刻々と変化する福島第1原発をめぐる菅直人首相のメッセージや枝野幸男官房長官の記者会見には不満が強く、早くも危機管理のずさんさが指摘されている。  現地情報との落差や伝達の遅れ、ちぐはぐな指示は、国民や住民のいら立ちや疑心暗鬼を募らせる。合理的な理由を説明することなく、いきなり避難や計画停電の実施を通告されても理解できるわけがない。国民の納得できる的確な指示を強く求めたい。 ただ官邸サイドの足をいたずらに引っ張る外部からの言い方は控えるべきではないか。東電本店に首相自ら乗り込んで社長らを■(口偏に七)咤(しった)したことを「政治主導のつもりか」とあげつらうことなどは感心できない。爆発事故で原子炉建屋が吹き飛んだのに、官邸への連絡が大幅に遅れた。そんな東電と経済産業省の原子力安全・保安院に任せておいていい時代は過ぎたはずだ。  進行中の東日本大震災に対処するためには、政治の果敢な決断と実行力がとりわけ必要である。ねじれ国会で厳しく対立してきた与野党間に一時休戦が実現したかに見受けられるが、2011年度予算関連法案の取り扱いや10兆円規模にも上るとされる補正予算編成、復興財源措置などの協議を進め、歩み寄りを急ぐべきだ。 メンツやこだわりを捨て切れず政権争いに執着するようでは、政治失格の烙印(らくいん)を押される。

メタデータ

データの提供元

青森震災アーカイブ(承継)

東日本大震災の被災地である青森県八戸市、三沢市、おいらせ町、階上町の共同事業として構築されたアーカイブ。行政文書のほか、市民から集めた写真、動画や体験談も収録。2024年6月26日ひなぎくでデータを承継。2024年3月31日サイト閉鎖。

2024/06/30