解説
岩手県釜石市を襲う津波の様子を捉えた映像。釜石市在住の山口貴廣氏が撮影。地震から約40分後の午後3時25分ごろ、津波到達の知らせに騒然とする、釜石市役所(釜石市只越町3丁目)第二庁舎前の通り。避難を急ぐ人々に混じり、撮影者も、わずかに海抜の高い市役所の敷地内へ駆け上がり、カメラを南側遠方へ向ける。すでに、150メートルほど離れた県道4号線付近で、波しぶきと噴霧が立ちのぼっていた。激しい水流に押し込まれたがれきや自動車が、あっという間に道路を埋め尽くす。港側(画面左・東方向)からの水流は、いつのまにか市役所に近い、辻(つじ)という辻から次々と出て、見る見るうちに勢いを増し、内陸部(画面右・西方向)へ流れていく。やがて、市役所のつい目前まで激流が押し寄せ、人々の「逃げろ!」という声が飛び交う。撮影者も、さらに一段高い、市役所第一庁舎の入り口付近(当時工事中)まで駆け上がり、ここで撮影を中断した...。この映像には、この津波によって亡くなられた男性(当時81歳)と女性(当時59歳)の2人の方の直前の姿が収められています。本映像は、それぞれの遺族の了承を得て配信しています。本映像の配信にあたり、遺族は「とにかく、いち早く逃げる重要性」について、次のように話しています。【男性の遺族】「自分の財産を守るため、逃げることをためらい、亡くなった人がたくさんいます。命だけは失ってはいけません。逃げる。これに勝る言葉はありません」【女性の遺族】「この映像を見た時、(故人が)逃げるのが、もう少し早ければと何度も思いました。生と死を分けるのは、この少しの差なのだと…」また、撮影者の山口貴廣氏は、「目の前で、多くの人が津波に流されていくのを見ました。亡くなった人のことを考ると、1日1日を無駄に生きてはいけない」と話しています。
データの提供元
3.11 忘れない FNN東日本大震災アーカイブ
東日本大震災時の地震、火災、津波などの映像を収録したウェブサイト。FNN(フジニュースネットワーク)加盟局の映像を中心に収録。
最終更新日
2024/02/21