解説
福島県の北部、宮城県との県境にある新地町(相馬郡)を襲った津波の映像。新地町大戸浜地区に住んでいた森和哉さん(当時40歳)が撮影。地震から1時間後の午後3時41分、テレビで地震情報を確認していた森さん。津波に関する情報はテレビからは伝わって来なかったが、不安を覚え、自宅の2階に上り、自宅から200mほど離れた釣師浜漁港付近にカメラを向けた。すると、港の沖に張り出した堤防の高さを超えて、すでに津波がどんどん港内に入り込んできていた。係留されている何艘かの漁船が激流に揺さぶられている。港内の水位はあっという間に上昇し、堤防すらも見えなくなる。自宅付近まで迫りくる津波に身の危険を感じた森さんは、ここで撮影を中断し、急いで50mほど離れた自宅の裏山へと駆け上がった。自宅の裏山もほんのわずかばりの高台でしかなく、森さんは木の上にまでよじ登り、何とか難を逃れたという。自宅で最初にカメラを回し始めてから7分後の午後3時48分、裏山に避難した森さんは、しがみついていた木から降りて再びカメラを回す。非難場所のすぐ間近まで迫っている波。波と共に押し寄せるガレキ。大きな住宅さえも流され、目の前を横切っていく。少しだけ身を乗り出し、わずかに北側方向にカメラを向けると、港にあったはずの船が、裏山に隣接する7mほどの高台にまで乗り上げられていた。まもなく、森さんは近くの民家に避難をうながされ、撮影を中止。後日の取材で森さんは「もう目の前は海です。全部…」と、この時の情況を語った。この津波に飲みこまれ、森さんの自宅も全壊した。
データの提供元
3.11 忘れない FNN東日本大震災アーカイブ
東日本大震災時の地震、火災、津波などの映像を収録したウェブサイト。FNN(フジニュースネットワーク)加盟局の映像を中心に収録。
最終更新日
2024/02/21