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語り部による「ひなぎく」の活用

平成29年3月25日(土)、仙台市のせんだい3.11メモリアル交流館にて東北大学災害科学国際研究所「みちのく震録伝」が主催する「震災伝承活動を手助けするための震災記録の利用講習会」(以下、「講習会」という。)が開かれました。当館からも参加協力し、被災時の経験などを語る活動をしている語り部の方々に活用していただくため、国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(愛称:ひなぎく)を紹介しました。

講習会では、なぜ震災アーカイブが必要なのか、その意義や収録資料について確認し、さまざまな震災アーカイブをまとめて検索できる「ひなぎく」の使用方法について説明しました。続いて、実際に震災伝承活動を行う時に語り部が持ち歩いて案内することを想定して、タブレット端末で「ひなぎく」から連携先アーカイブの写真や映像を閲覧する手順について実習しました。

参加者からは、自身で直接操作するほか、来訪者を案内する際に、それぞれのスマートフォンなどで「ひなぎく」から様々な資料を閲覧可能であることを案内したい、お孫さんなど次世代を担う人たちにもこのようなシステムがあることを伝え使ってもらいたい、といった感想をいただきました。

講習会では宮城県図書館から東日本大震災アーカイブ宮城の紹介もあり、最後に「ひなぎく」や東日本大震災アーカイブ宮城でどのような資料を閲覧できると良いか、参加者で意見交換をしました。参加者からは「自分達は渦中にいたが、混乱する中で何が実際に起こったのか分からない部分がある。事実を確認できる写真が見たい。」「沿岸から数キロ内陸に入ったところの被災写真に驚いた。こんなにも津波の影響が及ぶのか。津波が川を遡上する写真が見たい。また高速道路が防波堤となって津波を防いだとの話もあるがそれが確認できるような資料があれば見たい。」「様々な証言があるが、伝承していくにはその裏付けとなる写真や動画が大切だ。」といったご意見が寄せられました。

震災の教訓を次世代に伝承していくため、被災地では復興ツーリズムを推進する動きがあります。そのような中で、「ひなぎく」が被災地を訪れる人が語り部から説明を聞き、震災の教訓を肌で感じる手助けのひとつとなるよう、当館は関連資料の収集や「ひなぎく」の利活用を推進していきたいと考えています。

このような機会を設けてくださった東北大学災害科学国際研究所「みちのく震録伝」、参加してくださった語り部の皆様、七郷市民センター、せんだい3.11メモリアル交流館、宮城県図書館、仙台市役所の皆様にこの場をお借りして、感謝申し上げます。


配付資料



当日の写真

 趣旨説明を行う柴山准教授

 モバイルを使った実習風景1

 モバイルを使った実習風景2

 宮城県図書館講義風景



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